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第三話 激戦の発端 

  第三話 激戦の発端
  「そろそろいいんじゃないですか。」
 ミランダとアルバートがエスペランサのブリッジで会話していた。
  「ミランダ、あれは並みの超人類でさえろくに扱えないんだぞ。」
  「彼は並みの超人類ではありません。あのシャトルの操縦を見なかったんですか?」
  「だからといってあれを扱えるとは限らない。」
  「私はアマテラスの言葉を信じます。」
  「超人類はまだ進化の途中であり、いずれ超人類の完成体が誕生する・・・か。」
 アルバートは天井を見るようなしぐさをしながら言った。
  「はい。彼は超人類の完成体です。アルバート艦長だって、初めてシャトルを操縦した時あんな操縦ができましたか?」
  「・・・。」
  「イクシードは彼に託すべきです。彼ならきっと・・・操れます。」
  「シミュレーションでも良い結果は出ているんだな?」
  「はい、全パイロットの中で4位という高い成績を出しています。」
  「初心者で4位か・・・。確かに超人類の完成体といわれても不思議じゃないか。」
 アルバートは静かに目をつぶり、考え込む。そして、決断する。
  「わかった。あれは彼に託そう。イクシードの力は今の我々にとって必要だ。」
 それを聞くと、ミランダは走ってブリッジを出て行った。

 ルディが自分の船室で横になっていると、ノックの音が聞こえた。
 ゆっくりと立ち上がり、ドアに向かって行くとまたもやノックの音が聞こえた。
 ルディが面倒くさそうに鍵をあけると、そこにはミランダが。
  「ルディ、休んでるとこ悪いけど、ちょっと来てくれる?」
  「別に平気ですけど。」
 ルディは部屋を出て、ドアの鍵を閉める。

 ミランダについていくと、MTU格納庫に着いた。
 格納庫の中には、エターナルの主力量産型MTU”ヘリオス”が立ち並んでいる。
 ルディはそれを見回しながらミランダについていき、小さなエレベーターの前にたどり着く。
 ミランダが小さなキーをエレベーターのドアの横にかざすと、静かにドアが開いた。
 ミランダとルディは無言でその中に乗り込み、ドアが閉まった。
 最初に口を開いたのはルディだった。
  「どこに連れて行くんです?」
  「エスペランサの最下層よ。」
  「最下層?あそこは立ち入り禁止のはずじゃないんですか?」
  「アルバート艦長から許可は出た。何があるかはついてくればわかる。」
 やがて、エレベーターはゆっくりと停止し、ドアが静かに開く。
 ルディたちは降りて、その先の分厚い鋼鉄のドアの前に来た。
 ドアには「危険、立ち入り厳禁」と書いてあり、ドアの分厚い鋼鉄は、大砲が直撃しても耐えられそうだった。
 ミランダが操作すると、一部錆びかけたドアは時々こすれる金属の音を出しながら開き、ルディたちは歩いて前に進んだ。
 ミランダは照明のスイッチを押し、ドアの先の暗闇に光が入る。
 ルディはまぶしさで一瞬目が眩んだが、すぐに何があるかわかった。
  「MTU?」
 目の前には純白のMTUがあり、各所に青色の塗装も施してあった。
  「RMT-M590 ”イクシード”。エターナルの持つ技術を総動員して造られたMTUよ。」
  「イクシード?それに僕に何の関係があるんですか?」
 ルディは驚きを隠せない。
  「簡単に言うと、ルディに託したいの。」
  「託す?」
  「君の乗機。」
  「それってつまり・・・僕に戦えと言うんですか?」
  「・・・まあ、そう言うことになるかな。」
  「そんな・・・お断りします。戦うのは嫌だし、僕は兵隊になったつもりはありません。」
 ルディが断ると、ミランダはそれを予想していたかのように静かに話し出す。
  「エターナルは世界の監視者になるはずだったの。でも、近年はアマテラスに押され気味で、物量で圧倒的に劣るエターナルがアマテラスに敵うすべは無い。」
  「だからって何で僕なんです?パイロットは他にもいるじゃないですか!ライナスさんとか。」
  「彼らには操れない。これは並みの超人類には操れない。でも君ならできる。絶対に!」
  「無理です。実際にMTUに乗ったわけでもないし、シミュレーションをやっただけですよ。」
 ルディは大きな声でそう叫び、走り去っていった。
  「ルディ・・・。」

 太陽フレアによる太陽風は東アジア地区に直撃し、甚大な被害を出した。
 中国の北京に拠点を置く国連(国際連邦)も例外ではなく、大きな混乱が起きていた。

 そんななか、密かに行動を開始している組織があった。
 超人類組織アマテラス。
 エターナルの指導者のアルバート・バルツァーの兄、アマテラス・バルツァー率いる超人類組織である。
 アマテラスの活動拠点”ケレス”の司令室では、アマテラス・バルツァーとその副官が作戦開始に向け、指示を出している。
  「攻撃艦隊の位置は?」
  「まもなくスペースコロニー・ターミナル5”ビギニング”宙域に到着します。」
  「予定通り、地球側への宣戦布告と同時に一斉射撃を行う。宣戦布告は6時間後だ。用意を怠るな!」
  「了解。艦隊にも用意を怠らないよう伝えます。」
  「彼らも動いてくるだろうな。」
  「エターナルでありますか?」
  「ああ、あのアルバートなら動いてくるはずだ。」
 スペースコロニー・ターミナル5通称”ビギニング”とは、第二次防衛戦争後に造られたスペースコロニーで、初めて月軌道の外、つまり地球圏外の軌道を回るコロニーとなった。
 現在、国連宇宙軍主力艦隊が寄港していて、ここを奇襲攻撃することで、国連宇宙軍を一気に無力化するのが目的だろう。

  そしてその6時間後・・・
  「そろそろだな。よし、国際緊急チャンネルを使って全世界に放送する。」
  「全世界・・・でありますか?」
  「当然だ、我々は世界と戦うつもりだからな。」
  「わかりました。では回線をそちらに送ります。」

 エスペランサの巨大なモニターにいきなり人が映し出された。
  「うわぁ、誰だありゃ。」
 ライナスが驚き、アルバートはすぐに反応した。
  「兄貴!?なぜだ?」
 モニターに映っているのはアルバートの兄、アマテラス・バルツァーであった。
  『人類が進化し、超人類が誕生してからほぼ1世紀。
   本来なら人類を導くはずであった超人類の救いの手を地球側は拒否し、さらには銃を突きつけた。
   超人類狩りのテロは各地に広がり、我々はなすすべも無かった・・・。
   我々は自由を奪われ、宇宙の果てに追放され、生きるすべすら失い始めることとなる。
   そんな社会はあってはならない。我々はそう判断した。
   常人類との共存の道は無い。
   これからは超人類だけの社会を作り出し、常人類は完全排除する!
   よって、我がアマテラスは地球圏のすべての国家、組織に対し、宣戦を布告する!
   この戦いは歴史を変え、すべての始まりとなるであろう・・・。』
 モニターから映像は消え、放送が終了したことを伝える。
  「超人類だけの・・・社会。兄貴!」
  「すべての国家、組織に対しての戦争?そんなこと・・・」
  「できるわルディ。アマテラスは極秘で無人機を大量生産している。」
  「そんなことって・・・。」

 スペースコロニー”ビギニング”宙域に待機していたアマテラス艦隊に攻撃開始の命令、つまり宣戦布告の放送が流された。
  「攻撃開始!」
  「各艦、前進。一斉射撃開始!」
 デブリの中に隠れていた艦隊が姿を現し、一斉にビームの雨をコロニーのドッキングベイに浴びせる。
 ベイ付近の国連艦は破壊され、次々に轟沈していった。

  「宣戦布告と共に一斉射撃?各艦、反撃だ。反撃急げー!」
 奇襲攻撃を受けた国連艦隊は混乱していて、反撃する艦、逃走する艦、コロニー内に逃げ込む艦など、隊列は完全に崩れた。
 その後、一斉射撃は終わり、アマテラス艦隊からはMTU部隊が発進した。
  「艦長、敵艦隊からMTU部隊の発進を確認しました。数は・・・すっ、数百機います!」
  「スペースホーク部隊発進、各艦は対空、対MTU戦闘用意!」

 アマテラス艦隊は無人機”グレンデル”を発進させ、コロニー付近の敵を掃討する作戦に入る。
 グレンデルとスペースホークの両部隊は激突し、グレンデル隊の圧倒的勝利で宙域戦闘は終了する。
 グレンデル部隊はコロニー内部に侵入し、内部に逃げ込んだ艦への攻撃を開始する。

 国連艦の80%以上が撃沈されたとき、艦隊の最高司令官が指令をする。
  「そろそろだな、グレンデル隊を呼び戻せ。同時に”ヘルシャーク”の準備を急がせろ。」
  「了解。」

 今までスコールのごとく銃弾を浴びせかけてきたアマテラスの無人機が、一斉に踵を返してコロニーから出て行く。
  「敵MTU部隊、撤退を開始しました。」
  「何だ?まだ我々の艦隊は残っているというのに。」

 やがて、全グレンデルがコロニー付近から脱出し、アマテラス艦隊に帰還した。
  「全機帰還しました。」
  「”ヘルシャーク”発射態勢に入れ。」
 アマテラス艦隊の中に数隻混じっていたミサイル艦が前進し、抱えている大型のミサイルの発射態勢に入る。

  「”ヘルシャーク”いつでも発射可能です。」
  「よくやった。カウントダウンを行う。発射まで5,4,3,2,1,発射!」
 各ミサイル艦から大型ミサイルが発射され、コロニーに向かって前進していく。
 その後、コロニーの外壁に着弾し、青白い稲妻をまとった爆発がいくつか巻き起こる。
 目が眩むような爆発はコロニーを覆い、爆発が収まるとコロニーは崩壊し、デブリとなっていた。
  「すごい。これが”ヘルシャーク”。」
 大型重プラズマミサイル”ヘルシャーク”。
 内部に濃縮した高エネルギープラズマを詰め込み、着弾と同時に高い熱エネルギーをあたりに噴出させる。
 コロニーすら破壊可能な威力があり、アマテラスの技術をふんだんに使った兵器だと言える。

  「こんなこと・・・。」
 エスペランサのモニターで戦闘を見ていたクルーたちは、爆発により消滅するコロニーを、悪魔を見るような目で見つめている。
 その光は、現在小惑星帯に静止しているエスペランサからも肉眼で見えて、第二の太陽と言えるかのような光だった。
  「コロニーが一瞬で・・・。」
 ルディは恐怖で声が震えている。

  その2日後・・・
 太陽フレアにより暴走した国連はアマテラスに対抗するためには豊富な資源が必要だと判断し、シベリア地方や、北極圏を領土としている資源大国「ネルティア」に宣戦布告し、地球圏は再び戦いが始まろうとしていた。
 エスペランサは、国連とネルティアの戦いに対して中立宣言をした「グラードル合衆国」に支援を要請し、受け入れられたため地球へ向かうことになっていた。
 しかし、それを阻むものがいた。
 アマテラスの宣戦布告によって超人類に対して神経質になった国連軍は、国連軍月面基地から艦隊を発進させ、エスペランサの地球圏侵入を阻止しようとしていたのだ。

  「レーダーに反応。国連艦隊です。」
 オペレーターのフェリナが叫び、各クルーは迅速に戦闘準備を始める。
  「国連か。月基地から来たやつだろうな。」

 ミランダもMTU部隊隊長として出撃するため、MTU格納庫に向けて走っていた。
  「ミランダさん!」
 後ろから声をかけられ、後ろを向くとこっちに向かって走ってくるルディがいた。
  「やっぱり戦うことにしたんです、イクシードで。僕にできることがあるんなら試してみようかなって思ったんです。」
  「ルディ・・・。」
  「最下層に行くエレベーターのキーをください。」
 ミランダはポケットから小さなカードキーを取り出し、ルディに渡しながら言う。
  「覚悟はあるんだね。」
  「はい。あんな事見せられて黙っていられませんよ!」
 ルディはキーを受け取り、足早にその場を去る。

 最下層にたどり着き、慣れない手つきでイクシードのシステムを起動させる。
  「あんなの、人間の行為じゃない。」
 ルディはつぶやきながら起動作業を進め、その操作によって、長年封印されていた機体が動き出す。
  「ルディ君、本当に行くの?」
 通信用のモニターに、フェリナの不安そうな顔が映る。
  「行くよ・・・エスペランサを守るくらいなら!イクシードをカタパルトに上げて!」
 フェリナの操作により、MTU用の大型エレベーターは徐々に上昇し、イクシードはカタパルトに装着される。
  「とりあえずミランダについていって。」
  「了解。システムオールグリーン。」
  「イクシード、発進してください。」
  「ルディ・カーティス、イクシード行きます!」
 イクシードは勢いよく発進し、流星のごとく宇宙を駆けていった・・・。


  次回予告
 戦う決意を固めたルディにより、遂に宇宙に飛び出すイクシード。
 しかし、相手は5隻の国連艦隊。
 エスペランサや、イクシードにに猛攻撃を加える国連軍をルディは撃てるのか!

  次回! 第四話 イクシード宇宙へ
   おたのしみに!


  ダブルオーの一言
 遂に発進するイクシード。そしてさらに長文になった第三話。
 イクシードは発進シーンだけです。戦闘シーンは第四話で。
 なんか今回セリフが異常に多かった気がするんですが、多分気のせいです。

                    <第二話 ホーム 第四話>
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